冠水時に気を付けること
廃車になる程の水位とは!
車の種類や車高により危険な水位が異なりますので、次の項目を目安としてご参考にしてください。
タイヤの1/4までの水位
タイヤの1/4までとは、タイヤのサイズにもよりますが、だいたい12~16㎝の水位です。スニーカーがかかとまで隠れてしまう程度の水位です。
大した水位で無いと感じると思いますが、走ってみると次のような感じがします。
タイヤの1/4まで
濁った水で路面が確認できないので、路面の様子や水深が判らない。
スピード上げるとすごい水しぶきが上がる。水しぶきが床をたたきつける。
ハンドルが取られる様な抵抗感がある。
この程度の水位でしたら、恐怖感はありますがゆっくりでしたら走行可能です。水位が増加しないことを確認しながら水の無い場所を目指して安全に走りましょう。
タイヤの中心までの水位
タイヤの半分が隠れてしまう水位(だいたい25~32㎝)は、かなり危険な水位になります。
タイヤの中心まで
車種によっては、マフラーが水没してしまいます。水により排気ガスの出口が塞がれた状態になりますので、エンジンが停止します。
<対策>
ギヤをD(ドライブ)からL(ロー)などの低いギヤにしてエンジン回転数をアップして排気ガスの圧力を上げます。マフラーが僅かな水没の場合は、エンジンが止まらない可能性が高くなります。
水位が床上になる車種では、水が徐々に室内に浸入してきますが、その前に浮力が発生しハンドルが効かなくなる危険があります。
運よく脱出できても室内に泥水が浸入した場合は、掃除しても泥や臭いが残ってしまい大変なことになり、廃車の可能性が高くなります。
以下の表にタイヤのサイズ別にタイヤ半径を示します。ご自分の車の装着しているタイヤ半径をご確認下さい。
タイヤ サイズ |
扁平率 | 幅 (㎜) |
タイヤ半径※ (㎝) |
14インチ | 55 | 155~195 | 25.3~27.5 |
60 | 165~205 | 26.7~28.9 | |
70 | 165~205 | 28.2~31.4 | |
15インチ | 50 | 165~225 | 26.4~29.3 |
55 | 165~215 | 27.1~29.7 | |
60 | 155~215 | 27.3~30.6 | |
70 | 195~265 | 33.9~36.0 | |
16インチ | 50 | 195~245 | 29.0~31.4 |
60 | 175~235 | 29.6~33.0 | |
70 | 205~275 | 33.5~38.0 | |
17インチ | 45 | 205~245 | 29.9~31.5 |
50 | 205~235 | 30.6~32.0 | |
60 | 205~225 | 32.5~33.5 |
※タイヤ半径は、動的負荷半径(車重でタイヤがたわんでいる状態)を表示しています。範囲はタイヤ幅に対応し、幅の狭い方がタイヤ半径は小さくなります。
タイヤが見えない、ボンネットまでの水位
まず、電気系統が生きているうちにドアの窓ガラス全開にして脱出ルートを確保してください。
この位の水位になりますと、床上の水位ですので車が浮いてしまいます。車が流されている場合は、ドアが開けられれば、車内に水を入れて車を沈めます。次に周囲の状況を確認し、身の安全を最優先とする行動を取ってください。
車の状況は、以下のようになってしまいます。
タイヤが見えない
エアクリーナーからエンジン内に水が浸入する恐れがあります。水がエンジン内に侵入した場合、水は空気と異なり圧縮することができないので、エンジンが損傷します。このため、エンジンが停止してもセルを回してはいけません。
電装部品やミッションも水に浸かってしまいます。それぞれの防水性能にもよりますが、その多くは分解修理や交換が必要になります。
車内はシートやドアの内側やエアコン内部に泥水が侵入して、乾燥後に清掃しても泥跡や異臭が残ってしまい、元通りに戻すことは不可能です。
また、一見してダメージが無いと思われる部品も時間が経過してから部品内部に錆が発生し、トラブルになることも考えられます。
修理費用は、新車価格の50%以上になる場合もあり、修理しても「冠水歴」が付き下取り価格は大幅に下がってしまいます。
この様な車の状況では、「修理」と一緒に「廃車」も検討した方が良さそうです。
水害車の廃車はどうしたらいいの?
水害車を取り扱う「廃車買取業者」
廃車を検討する場合、「廃車買取業者」に見積り依頼をするのが最も良い方法ですが、水害車に関しては扱う業者が限られます。当サイトでは水害にあってしまった場合、「カーネクスト」での見積りをおすすめしています。
「カーネクスト」の解説はコチラ
まとめ
ポイント
ゲリラ豪雨や災害級の豪雨が発生している時は、車での外出は控える。
運転中に災害級の豪雨に遭遇した場合は、アンダーパスのような低い水が溜まりやすい場所は通らないこと!遠回りでも跨線橋や踏切の道を選択する。
やむを得ず冠水路を走る場合は、水位に注意!水位がタイヤの1/4を超えだしたら進むのは危険!!
水没してしまった車は「廃車」と思ってください。冠水路を進む前に高台に逃げる検討を!